クラウド・インフラ

インフラサービス

Infrastructure as a Service (IaaS)

サーバーやストレージなどのITインフラをインターネット経由で提供するクラウドサービス

クラウドサービス インフラストラクチャ 仮想マシン スケーラビリティ オンデマンド
作成日: 2025年3月1日 更新日: 2026年4月2日

インフラサービス(IaaS)とは?

インフラサービス(IaaS:Infrastructure as a Service)は、サーバー、ストレージ、ネットワークといったコンピューティングリソースをインターネット経由で提供するクラウドサービスです。 物理的なサーバーを購入・管理する代わりに、クラウドプロバイダーが保有するインフラをレンタルして使う仕組みです。企業は使った分だけ料金を支払うため、初期投資を大幅に削減できます。

ひとことで言うと: 「レンタカーのように、高価なサーバーを買わずに、必要な期間だけクラウド上のコンピューティング能力を借りるサービス」

ポイントまとめ:

  • 何をするものか: コンピューティングリソース(CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク)をオンデマンドで提供する
  • なぜ必要か: 初期投資を削減し、スケーラブルで柔軟なインフラを実現できる
  • 誰が使うか: スタートアップから大企業まで、すべての組織がIaaSを活用している

なぜ重要か

従来、企業がアプリケーションを運用するには、自社でサーバーを購入・設置し、電力やネットワークなどのインフラを整備する必要がありました。この方法には多くの課題がありました。最初に大きな資本投資が必要で、サーバーの劣化に対応する交換費用も継続的にかかります。また、需要予測を誤ると、不要なサーバーが眠ったまま置かれたり、逆に需要に応えられないリスクが生じます。

IaaSの登場により、これらの課題は一変しました。企業は必要な分のリソースを必要な期間だけ利用でき、使わなくなったら即座に返却できます。クラウドコンピューティングの普及により、ビジネスは「資産を持つ」から「機能を借りる」へと転換し、より迅速で柔軟な事業展開が可能になったのです。さらに、IaaSプロバイダーは常に最新のセキュリティパッチを適用し、高可用性を保証するため、運用の手間も大幅に減ります。

仕組みをわかりやすく解説

IaaSの仕組みは、プロバイダーが提供する大規模なデータセンターを多数の企業・ユーザーで共有することに基づいています。プロバイダーは膨大なサーバーを一箇所に集約し、効率的に管理しながら、各顧客に仮想マシンやストレージなどのリソースを割り当てます。

ユーザーは専用のダッシュボード(コンソール)やAPI経由で、必要なリソースを指定するだけです。仮想マシンが必要なら「メモリ4GB、CPU2コア」と入力すると、数分以内にそのマシンが利用可能な状態になります。これは、ホテルのフロントに「ツインルームを3泊」と申し込むと、フロントが即座に部屋を用意してくれるのと同じです。ユーザーはOS(Windows、Linuxなど)をインストールし、自分のアプリケーションをセットアップして運用を開始します。

インフラストラクチャ(IaC)の考え方と組み合わせることで、さらに効率が高まります。IaCでインフラの構成をコードとして記述しておけば、それを自動実行することで、何度でも同じ設定を素早く再現できるのです。

実際の活用シーン

スタートアップの急速な成長への対応

新興のEコマース企業は、季節セール時に数倍のアクセスが集中することがわかっていました。IaaSを使うことで、セール期間中だけサーバーリソースを増やし、終了後は削減できます。物理サーバーでは実現できない柔軟性により、ピーク時の顧客離脱を防ぎながら、無駄なコストを最小化しました。

グローバル展開の加速

日本の製造企業が海外複数地域にデータセンターを構築したいと考えていました。IaaSなら、世界中のリージョンにすぐにインフラを立ち上げられます。物理的な施設建設という時間と莫大な資本を削減し、わずか数週間で多拠点展開を実現できたのです。

レガシーシステムの段階的刷新

大手金融機関は、老朽化したオンプレミスのシステムを新しいアーキテクチャに移行したいと考えていました。IaaSを活用し、新システムをクラウド上に構築してから、段階的に顧客をカットオーバーしていくことで、ダウンタイムなしに刷新を実現できました。

メリットと注意点

IaaSの最大のメリットは、初期投資を大幅に削減できることです。高額なサーバーやネットワーク機器を購入する必要がなく、ビジネスの変化に応じてリソースを柔軟にスケーリングできます。また、プロバイダーがシステム更新やセキュリティパッチを担当するため、企業の運用負担が軽減されます。

一方で、注意点もあります。インターネット接続が不可欠となるため、ネットワークの問題が直接ビジネスに影響します。データをプロバイダーのサーバーに預けることになるため、データセキュリティとコンプライアンスへの対応が重要です。特に機密情報や個人情報を扱う組織は、プロバイダーの認証資格やセキュリティポリシーを厳密に確認する必要があります。さらに、使用量が予想を大きく上回ると、コストが想定以上に膨らむリスクもあります。

関連用語

  • クラウドコンピューティング — IaaSはクラウドコンピューティングの三つのサービスモデル(SaaS、PaaS、IaaS)の一つで、最も低レベルのリソースを提供する形態です
  • インフラストラクチャ・アズ・コード(IaC) — IaaS上でインフラの構成をコードで定義・管理することで、自動化と再現性を実現します
  • 仮想マシン — IaaSの基本的な構成要素で、物理サーバーを仮想化したコンピューティングユニットです
  • API — IaaSのリソースをプログラム的に操作・制御するための標準的なインターフェースです
  • セキュリティ — IaaS利用時にはデータの暗号化、アクセス制御、監視体制を含むセキュリティ対策が不可欠です

よくある質問

Q: IaaSはPaaSやSaaSとどう違うのですか?

A: 三つとも「〜as a Service」ですが、提供するレベルが異なります。IaaSはサーバーやストレージなどのインフラリソースを提供し、ユーザーがOSやアプリケーションをインストールします。PaaS(Platform as a Service)はさらに一段階上で、開発プラットフォーム(例:データベース、ウェブサーバー)を提供し、ユーザーはアプリケーション開発に集中できます。SaaS(Software as a Service)はさらに上位で、完成したソフトウェアをウェブブラウザから利用します。

Q: IaaSのコストはどうやって計算されるのですか?

A: ほとんどのIaaSプロバイダーは「従量課金制」を採用しています。CPU時間、ストレージ容量、ネットワーク転送量など、実際に使った分だけ課金される仕組みです。毎日のリソース利用をモニタリングし、不要になったインスタンスを停止することでコストを管理できます。

Q: IaaSとオンプレミスではセキュリティレベルに差がありますか?

A: 信頼できるIaaSプロバイダーは、一般的な企業よりも高度なセキュリティ対策を実施しています。ただし、セキュリティ責任は共有されます。プロバイダーはインフラのセキュリティを担当し、ユーザー側はアプリケーション層やデータ管理のセキュリティを担当する必要があります。

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